交通事故や、通勤時に怪我で労災となって治療をうけたりすると
いつもの皆保険制度ではなく、他の保険制度で受診となる場合に
是非気をつけてほしいことがある。
それは、「症状固定のタイミング」である。
交通事故や通勤時の事故やケガなどを経験したことはみなさんあるであろうか。
今までなかったとしてもいずれ人生で一回は会うであろうそのときのために
一つ身につけておいてほしい知識がある。
それは、症状固定は安易にするな。である。
そもそも怪我というものは
・ある程度元の状態にまで治るもの
・ある程度は治るがその後、年月を経て徐々に症状が悪くなるもの
(車で言うと、シャフトが曲がったのに戻しきれなくて、
その曲がったシャフトの影響で車体全体が痛んでいくようなイメージ?)
大まかに上記の2パターンに分かれる。
通常、受傷し病院に来た患者に対してまず手術などの治療を行い、
その後リハビリ治療へと移行する。やがて、
「怪我は治癒しました。受傷部位の運動機能は今後治療を重ねても
今以上の回復の見込みはありません」と、
症状がこれ以上よくならないと医師が判断した段階で症状固定となる。
症状固定が行われるということは、
その残った症状にあわせてある一定金額を算定し支払う代わりに、
医療機関での治療を終了としてそれ以降医療機関にかかるときは
自費(皆保険の3割負担)となることを意味する。
この症状固定のタイミングがなんともいえないものがある。
それは主治医の裁量によるといっても過言ではないからである。
一般的に多くの医者がきちんと保険診療に沿った診察をした上で、
適切な時期に終了としているのは勿論ではあるが、
ダラダラといつまでもリハビリをしても実際はよくならないし、
前向きになれないので次の人生としてのスタートを切れないので
よほどの合併症がないかぎり受傷から1年で終了とすることが常である。
しかし中には忙しいことや、
もういいだろうという投げやりな気持ちで
症状固定にしちゃえという主治医も存在する。
それによって何が起こるのか。
仮に症状固定後、事故などの影響でどんどん不調な部分が出たとしても
一度症状固定とすると保険屋さんもお金が絡むので
「一度症状固定しているので、その状態については負担できません。
お金を以前に払いましたよね」となり、それ以降は
治療費や生活費の負担が打ち切られてしまうのである。(和解金のようなもの)
健康な体のみならず、健康を失うことで職業に支障をきたしたり、
その後も病院に通うことでお金と時間を失うこととなり
多大な損失を被ることとなるのである。
たしかにお金で健康は買うことはできないが
少なくとも買えるものがあるこの資本主義の中
とれるものはしっかりと取っておかないと後悔することとなる。
また労災も然りで、できるだけ早く労災をきることで
余計な出費を抑えたい趣旨などがあるであろう。
もちろん仕事が絡むと首になる等
いろんなリスクがあるから強くは言えないだろう。
しかし症状固定を一度するとあとから取り戻すのは非常に困難…
いや、はっきり言おう、無理である。
是非万が一の時に備えて、
症状固定という言葉の意味とタイミングを認識して欲しいです。
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Dr.ペンギン
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